素晴らしい勢いを感じるブラックストーン・コースは至宝のような存在です。スタイルがコアで、350エーカーの敷地を持つこのコースでは、成熟した木々と広がる深いジャングル、そして広大な湖と湿原とが織りなした風景は堪能できます。コースの特徴である溶岩石地層は、25マイル離れたところから運んできた地表土で覆われています。自然にできた起伏のある地形には明らかな落差が見られています。土木工事をできるだけ減らすとともに、ローカルの大きなライチの木を一本でも多く残すよう、コースの設計者は自然のままの地形の中でホールを作ることに大変気を配っています。他のコースの多くは普通、ターフと岩石の区切りはぎこちないように見えるが、ここには自然にできた溶岩石地層があるから、ターフと岩石の区切りは不規則な形となっています。また、バンカーや砂部のエッジラインも天然の溶岩石のために生まれたように不規則な形を持っています。そんな天然の地形を活かしたフェアウェーが広がっています。排水限度のある地下排水システムを導入するのではなく、地表排水を重視しているから、このコースはまるで柔らかい自然なラインを持つ不思議な芝生のじゅうたんのように見え、人工または機械が作業した痕跡は一切見られないのです（バンカー部においてもラフはない）。ボールが溶岩石の地層とぶつからないよう、フォースキャリの技を使うのが一番。ほら、空中で奇妙なカーブを描いたボールの色と溶岩石の色とは強いコントラストをなしています。また、数年前に溶岩石で建てられた壁や村もこのところの歴史を物語るように残されています。最初のホールは木々がより多いところにあり、グリーンエリアは自然にできた見通しのいい観覧席のあたりに位置しています。各ホール間の長さの変化は激しいが、最後の何ホールはより高いところを中心に散らばっているから、見物客は移動しなくても回りのホールの状況を見ることができます。グリーンからティーグランドまでの穏やかな地勢は配慮を込めたレイアウトが施されているから、乗用カートを使わずに徒歩でも完成できるコースとなっています。難しくてしかも超長い（7800ヤードを超える）最後の何ホールにはリスクと勝つチャンスがともに存在しているから、世界最高クラスのトーナメント大会に名を連ねられるコースと言ってもよいでしょう。大規模なイベントを楽に行えるよう、豊富な関連施設は用意されています。この点からも、トップクラスのトーナメント・コースを作り出すための設計者による工夫が伺えるでしょう。